今回は、介護食の味噌汁の具やレシピ・作り方、またとろみの付け方と必要な理由についてご紹介します。
高齢になり、今まで当たり前にできていた噛むこと、飲み込むことが難しいと感じる方は多いことでしょう。
今まで食べていた好きなものを少し形を変えて食べたいという気持ちの方もいらっしゃると思います。
そんなときに、栄養価の高い食材が豊富に含まれた味噌汁の存在は嬉しいですが、高齢者向けの味噌汁に入れる具材にはどのようなものがあるでしょうか? またどのように作り、とろみを付けたらよいでしょうか?
そこで今回は、介護食の味噌汁の具やレシピ・作り方、またとろみの付け方と必要な理由についてご紹介します。
目次
介護食の味噌汁でおすすめの具
えのき
えのきには骨粗鬆症や生活習慣病の予防などに役立つ栄養素が含まれており、カロリーも低いので、味噌汁の具材にもう一品加えたいときにも便利な食材です。
食物繊維も豊富なので、高齢者の方の便通の悩みを解消する一助ともなりそうです。
かぼちゃ
かぼちゃには体を温める効果があるので、冷えが気になる冬に食すると特に効果的です。
かぼちゃが持つ本来の甘さは、食欲促進にもつながるといえるでしょう。
あおさ
あおさには食物繊維が多く含まれているので、便通に悩む高齢者の方には重宝する食材です。
風味づけの効果もあるので、磯の香りとともに食する味噌汁の味は格別なものになるでしょう。
介護食の味噌汁にとろみをつける理由
介護食の味噌汁にとろみを付けるのは、高齢者の方にみられる誤嚥によって、食べ物が器官に入らないため、また飲み込みにくさを解消するためです。
噛むこと、飲み込むことが困難になるのは、高齢者の方にはよく見られることです。
今まで問題なく食べていた硬さのものを咀嚼できないことは誤嚥の原因になるだけでなく、食べることへの意欲をそぐことにもなります。
味噌汁をはじめとする水分は飲み込みにくいといわれ、むせる原因にもなります。
また粘り気のある長芋などの食材を使用することで、とろみが付くだけでなく、素材のおいしさも味わうことができます。
介護食の味噌汁のとろみの付け方
高齢者向けの味噌汁にとろみを付けるためには、食材ととろみ調整食品を別々に準備することが大事です。
とろみ調整食品は飲み込みが難しい方のために、食べものや飲みものに溶かすことでとろみを付けられるものです。
量を調整すれば好みのとろみが付けられるので、手軽で便利です。
ただし、使い方には一工夫が必要です。
オクラや長芋のような食材自体がねばねばしているものを味噌汁に直接入れれば、とろみが付くような感じがします。
しかしそれは誤った考え方で、とろみが付かないからとさらにとろみ調整食品を入れてしまうと、溶けずに残り、口当たりの悪い味噌汁ができてしまう原因になります。
それを防ぐためには、まず食材は食材で煮て、汁はとろみ調整食品を使って用意し、最後に二つを合わせることが重要です。
もとから粘り気のある食材のよさを損なうことなく、飲み込みやすい味噌汁になりそうです。
介護食の味噌汁レシピ
介護食・とろろの味噌汁
(画像引用元:https://img.cpcdn.com/recipes/2584631/840x1461s/c2b1bfbde24b6f1be2d865530d79df20?u=8803278&p=1404453509)
- 山芋 150g
- 味噌 大さじ2
- 出し汁(いりこ) 300cc
- ねぎ(小口切り) 適量
- 山芋は皮をむいて、すりおろす。
- 出し汁をいりこでとる。
- 出し汁を沸騰させ、味噌を溶かす。
- 山芋を入れ、沸騰後にねぎを入れる。
介護食・具沢山かぼちゃの味噌汁
(画像引用元:https://img.cpcdn.com/recipes/4110153/840x1461s/40ba72a04f64d4f2dda5dd33f7a9d439?u=7879250&p=1477191362)
- 水 500ml
- カツオだし(粉末)大さじ2分の1
- かぼちゃ、さつまいも、ニラ、玉ねぎ、揚げ、しいたけ(むせるときは入れない)各適量
- 味噌 大さじ2分の1
- ニラは4㎝くらい、そのほかの具材は1㎝角くらいに切る。
※むせる時は、しいたけは入れなくてもよい。 - カツオだし、水、具材を鍋に入れ、やわらかくなるまで煮る。
- 味噌で味つけする。
- ニラを散らす。
具も飲める!千切り野菜のお味噌汁
(画像引用元:https://img.cpcdn.com/recipes/4359173/840x1461s/5d2be9318b42bc64ee6091c6eaa0f60f?u=11886346&p=1487233807)
- 水 約600cc
- だしの素 小さじ1
- キャベツ 3~4枚
- にんじん 2分の1本
- 玉ねぎ 3分の1個
- えのき 1袋の約3分の1
- 味噌 大さじ1~2
- えのき以外の具材はすべて千切りにする。
えのきは細く切る。 - 鍋に水と玉ねぎを入れ、沸騰させる。
沸騰後、玉ねぎ以外の野菜を入れる。 - もう一度沸騰したらアクをとり、だしの素を入れる。
ふたをし、5~10分くらい中火にかける。 - 野菜が適度なやわらかさになったら、味噌を溶かし入れ、中火に30秒くらいかけたら止める。
介護食の味噌汁の具やレシピ・作り方まとめ・感想
介護食の味噌汁といっても、ひと手間加えることで、今までと変わらないものが味わえることがわかりました。
具材を小さく切る、とろみを付けるといったことで、噛んだり飲み込むことに難しさを感じている高齢者の方もおいしく味わえそうです。
家族と同じ食材を使用することは、高齢者を介護する家族の方にも便利といえるでしょう。